Excel VBA で学ぶ物理・数学計算問題
物理・数学の問題は、VBAの数値計算に慣れれば、式の理解を深められる。理解不十分ではプログラムが作れない。
方程式の厳密解は、実際の設計計算問題に適合しない、利用できない場合が多い。解がない場合、差分法や有限要素法
のような数値解法で近似解を求める。パソコンによる数値計算は、設計業務とその省力化に役立つ。
Excel VBAによる計算例を学ぶ。
問題 ～ 円柱切断面の面積
鉛直円柱を斜め45度に切断した断面の面積を計算し、その断面形状を図示せよ。 水平に切断した円断面は、
円の半径 r＝5.642cmで、断面積 Sは,約100cm2となる。
解答
円柱切断面が円形となる切断角度α=0の面をxy座標、α=45度の切断面、楕円となる面をx1y1座標とする。
α=45度なのでx軸上の半径rは、√2 rとなり、y軸上の半径は変化しない。
楕円の面積S1=πr（√2 r）≒√2 S =141.142 cm2。
VBAプログラム例 ～ 円柱断面.xlsm
切断面の角度α=0の面で円の方程式は、x2+y2=r2
α=0度、 円断面上の点P(x=r,y=0) & 円周上の点Ｑ(x,y)と原点を結ぶ線がx軸となす角iとすれば、点Ｑのy=r*sin(i)
点Ｑに対応する角度の異なる円柱面、切断面上の点Ｑ1の座標y1=y=r*sin(i)でx 1=r/cos(α)。α=45度でx 1=√2 r
S1は楕円の面積公式から円の面積の√2倍となる。
図１ Excel 入力データ 図２ 計算結果の図
以下のプログラム中 ”' ”は、説明のため、注釈行を意味し計算とは無関係。
Option Explicit ' 使った方が良い
Sub EN() ' EN()はSubの名前
Const Pi As Single = 3.141592654 ' Piは単精度の実数
Dim n As Integer, i As Integer, r As Single ' n は整数Integerの宣言
Dim X As Single, Y As Single, Ya As Single
Dim Angle As Single, a As Single, Sa As Single
' r = 円柱の半径 Angle=円柱の切断角度(度)
r = Cells(1, 2): Angle = Cells(2, 2)
n = Cells(3, 2) ' n= 円周分割数
Angle = Angle * Pi / 180 ' 度をradianに変更
' Cells(7, 2) = 楕円の面積
Cells(7, 2) = Pi * r * (Sqr(2) * r) ' 楕円の面積公式
For i = 0 To n : a = 2 * Pi * i / n ' aはn等分した円周上の角度
X = r * Cos(a): Cells(i + 1, 4) = X ' 角度aの円周上の点のx 座標
Y = r * Sin(a): Cells(i + 1, 5) = Y ' 角度aの円周上の点のy座標
Cells(i + 1, 6) = X / Cos(Angle) ' 切断面上のx 座標
Next i
Sa = 0 ' Sa= 楕円の面積1/4の近似計算 数値計算の精度向上のため
For i = 0 To n : a = 0.5 * Pi * i / n ' 楕円の面積1/4をn等分する
X = r * Cos(a): Cells(i + 1, 8) = r * Sin(a) ' 円上のx y座標
Cells(i + 1, 9) = X / Cos(Angle) ' 切断面上のx y座標
If i = 0 Then GoTo Skip
Ya = (Cells(i + 1, 8) + Cells(i, 8)) / 2 ' 切断面上分割片両側y座標値の平均
Sa = Sa + Ya * (Cells(i, 9) - Cells(i + 1, 9)) ' 分割片両側yx座標値の差＝幅
Skip: Next i
Cells(9, 2) = Sa * 4
End Sub
Excel VBA 初心者のために
１）Excelのメニューバーの”開発” をクリック ⇒ ”コード表示” をクリック
２）次のコードを入力する
３）図１のSheet１に入力データをセット
４）プログラムの保存と計算の実行
名前を付けて保存をクリック⇒Excelブックをクリック⇒Excelマクロ有効ブックで名前を付けて保存すれば、
次にExcelを立ち上げたときVBAが利用できる。
実行は、 ” 開発”をクリック⇒” Bisual Basic”をクリックし、実行ボタンをクリックする。
あるいは実行（R）をクリックし、表示された“Sub/ユーザーホームの実行F5” をクリックする。
計算結果から図を描くのはExcelに関する他書を参照。
図１ Excel 入力データ 図２ 計算結果の図
以下のプログラム中 ”' ”は、説明のため、注釈行を意味し計算とは無関係。
Option Explicit ' 使った方が良い
Sub EN() ' EN()はSubの名前
Const Pi As Single = 3.141592654 ' Piは単精度の実数
Dim n As Integer, i As Integer, r As Single ' n は整数Integerの宣言
Dim X As Single, Y As Single, Ya As Single
Dim Angle As Single, a As Single, Sa As Single
' r = 円柱の半径 Angle=円柱の切断角度(度)
r = Cells(1, 2): Angle = Cells(2, 2)
n = Cells(3, 2) ' n= 円周分割数
Angle = Angle * Pi / 180 ' 度をradianに変更
' Cells(7, 2) = 楕円の面積
Cells(7, 2) = Pi * r * (Sqr(2) * r) ' 楕円の面積公式
For i = 0 To n : a = 2 * Pi * i / n ' aはn等分した円周上の角度
X = r * Cos(a): Cells(i + 1, 4) = X ' 角度aの円周上の点のx 座標
Y = r * Sin(a): Cells(i + 1, 5) = Y ' 角度aの円周上の点のy座標
Cells(i + 1, 6) = X / Cos(Angle) ' 切断面上のx 座標
Next i
Sa = 0 ' Sa= 楕円の面積1/4の近似計算 数値計算の精度向上のため
For i = 0 To n : a = 0.5 * Pi * i / n ' 楕円の面積1/4をn等分する
X = r * Cos(a): Cells(i + 1, 8) = r * Sin(a) ' 円上のx y座標
Cells(i + 1, 9) = X / Cos(Angle) ' 切断面上のx y座標
If i = 0 Then GoTo Skip
Ya = (Cells(i + 1, 8) + Cells(i, 8)) / 2 ' 切断面上分割片両側y座標値の平均
Sa = Sa + Ya * (Cells(i, 9) - Cells(i + 1, 9)) ' 分割片両側yx座標値の差＝幅
Skip: Next i
Cells(9, 2) = Sa * 4
End Sub
Excel VBA 初心者のために
１）Excelのメニューバーの”開発” をクリック ⇒ ”コード表示” をクリック
２）次のコードを入力する
３）図１のSheet１に入力データをセット
４）プログラムの保存と計算の実行
名前を付けて保存をクリック⇒Excelブックをクリック⇒Excelマクロ有効ブックで名前を付けて保存すれば、
次にExcelを立ち上げたときVBAが利用できる。
実行は、 ” 開発”をクリック⇒” Bisual Basic”をクリックし、実行ボタンをクリックする。
あるいは実行（R）をクリックし、表示された“Sub/ユーザーホームの実行F5” をクリックする。
計算結果から図を描くのはExcelに関する他書を参照。